リユースでモノに新たな価値を創造、廃棄ゼロを目指すレトロ倉庫「ROKA STYLE」
富山県高岡市にリユース倉庫「ROKA STYLE」がオープンした。運営するのは、20年以上にわたりリサイクル事業を展開し、ゴミのない社会の実現を目指してきた有限会社荒木商会だ。
ROKA STYLEでは、家庭から出る不要品を再利用することで、環境への負荷を最小限に抑え、「廃棄物ゼロ」を目指している。モノを救い出し、磨き上げ、新たな価値を創出するこの倉庫内には、古い箪笥から、棚、おちょこ、本、雑誌、ゲームまでが数多く陳列されており、懐かしいレトロな空間が広がっている。
同社は、年間600件もの家屋片付けを通じ、さまざまな不要品と向き合ってきた。しかし、国内の廃棄物量は年間約4,034万トン(令和4年)にも達し、リサイクルされるものも環境に負荷がかかる現状がある。そこで注目したのが、できるだけ元の形を保ったままの「リユース」だ。捨てるのではなく救い出し、再利用することで、もう一度価値の見直しを図っている。
ROKA STYLEの名前は「濾過」を意味しており、2階建ての倉庫全体を通して、モノが濾過されていく様子を表現している。リユース品は一度清掃・洗浄され、次の持ち主を探すための準備が整えられ、店頭に並ぶ。
1階では、家財整理から持ち込まれたモノがそのまま展示され、埃や傷をそのままに、歴史の一部として感じられるスペースとなっている。宝探しのように掘り出しモノを見つけることが可能だ。
2階に上がると、選定された品々が清掃・洗浄され、ディスプレイされた空間が広がる。ここでは、各アイテムが使われる環境によってその価値がどのように変わるかが表現されており、単にモノとしてだけでなく、生活の一部としての魅力を発見できる仕掛けが施されている。
さらに奥に進むと、アーティストとコラボレーションした展示やワークショップが開催されるギャラリースペースが現れる。ここでは、物の価値とは何か、不要と思われた物に潜む可能性について考える機会が提供されている。ROKA STYLEは月に一度、こうした展示やイベントを通じて訪れる人に新たな視点を提供しており、物の持つ価値を見直すきっかけを作り出している。
ROKA STYLEでは今後、企業間取引(BtoB)に力を入れ、個人事業主や店舗の仕入れニーズ、撮影用レンタルなど、さまざまな目的に応じたリユース品の提供を計画している。また、特定のアイテムを探している顧客の声を聞き、必要とする人の手に直接届けるサービスの構築も検討中だ。さらに、リユース品をリメイク・リペアしてアップサイクル商品として展開することも予定している。
ROKA STYLE
住所:富山県高岡市立野3065
営業日:月・金・土
営業時間:13:00~17:00