栃木発、環境とデザインの融合。「大谷硝子」が目指す持続可能な伝統工芸
栃木県宇都宮市の特産品である大谷石。その魅力を新たな形で発信する「大谷硝子」が、環境に配慮したサステナブルな工芸品として注目を集めている。開発を手がけたのは、地域資源を活かした食器やインテリア用品を展開する株式会社ミランダスタイルだ。


同社が手掛ける「大谷硝子」は、大谷石を硝子化することで生まれた。美しい「大谷グリーン」の輝きが高く評価され、「令和6(2024)年度とちぎデザイン大賞」の「部門賞(工芸品部門)」および「栃木県デザイン協会長賞」を受賞した。

「大谷硝子」は、栃木県の風景や歴史を日常に取り入れることを目的としたアイテムであり、洗練されたデザインと高い耐久性を兼ね備えている。環境に配慮したアップサイクル製品として、大谷石の加工過程で生じる粉を再利用し、廃棄物削減とSDGsの目標「つくる責任、つかう責任」の達成に貢献する。この取り組みにより、地域資源の有効活用が実現し、廃棄物の課題を解決する新たな資源活用のモデルとしての役割も果たしている。


デザイン面では、大谷石の自然な風合いを活かしつつ、透明感のある緑色「大谷グリーン」が特徴的な美しいフォルムを実現した。シンプルでありながら存在感のあるこのデザインは、家庭での使用はもちろん、飲食店や宿泊施設においても幅広く活用されることが期待される。特に、ホテルやレストランでは、地元の魅力を伝えるストーリー性のあるアイテムとして注目されている。

「大谷硝子」には、片口やぐい呑、タンブラーなどの多様なラインナップが揃っている。片口には大小のサイズがあり、用途に応じた選択が可能だ。スモールグラスやタンブラーも、それぞれ100ccから300ccまでの容量が用意されており、機能性とデザイン性を兼ね備えた商品として注目されている。価格は、「以為 大谷硝子 大谷グリーン スモールグラス 100」が1,430円(税込)、「以為 大谷硝子 大谷グリーン タンブラー200」が2,200円(税込)から。


2024年12月20日には、「大谷硝子」が栃木県優良デザイン(Tマーク)を取得し、栃木県昭和館にて表彰式が行われた。今後、同社はこの技術とコンセプトをさらに発展させ、地域資源を活かした持続可能なものづくりの可能性を広げていく方針だ。