約350年前に建築された文化財邸宅をフルリノベーション、「STUDIOたまぼし」が岐阜県美濃市にオープン
岐阜県美濃市を拠点に活動するクリエイティブ企業の株式会社HIORYESは同市にある350年の歴史を持つ「旧鈴木公平家住宅」をフルリノベーションし、新たに「STUDIOたまぼし」として2024年9月1日にグランドオープンした。
HIORYESの本社は、ユネスコ文化遺産にも登録されている本美濃紙の産地、岐阜県美濃市の伝統的建造物群保存地区「うだつの上がる町並み」に位置する。
「うだつの上がる町並み」は豊かな自然環境と歴史的な風情に囲まれたロケーションである一方で、ブランディングやマーケティングに課題を抱えるクリエイターや中小企業も数多く存在する地域だ。
そんな地域課題に対応するため、同社がオフィスとして使用していた旧鈴木公平家住宅をリノベーションし「STUDIOたまぼし」として再生。この施設では、クリエイティブの情報提供やワークショップなどを実施する。近隣企業やクリエイターの活動の場を広げ、新たな市場と雇用を創出することで地方活性化を目指す。
「旧鈴木公平家住宅」は1676年に建造された邸宅。江戸時代に発達した防火建築「総塗籠造り(そうぬりごめづくり)」で建てられ、「玉星」の屋号で質屋や造り酒屋として栄えた。また、電話交換手が存在した時代には「美濃市1番」を取得するなど、美濃市の名家としての歴史を持つ。
今回のプロジェクトではこの歴史的建物を最大限に活かすため、床を支える「大引き」やむくり天井、天窓など歴史的な風情を残しつつ、全館をフルリノベーションした。
約700坪のスタジオには、書院、和室、洋間、庭のほか、白背景と人工光を活用した白ホリゾントスタジオを併設。商用利用を含む幅広い撮影が可能な環境を整え、撮影機材のレンタルサービスも提供している。
「STUDIOたまぼし」は9月1日のグランドオープンに先駆け、8月28日にプレオープンイベントを開催。映像機材の専門企業である銀一株式会社や、撮影用LED照明を世界中で展開するNANLITEの正規代理店であるNANLITE JAPANが協賛し、地域の活性化と、地方のクリエイターや企業の持続的な成長を支える場所となる一歩を踏み出した。