空き家と廃材から広がる市民主体のアートプロジェクト「中園町で逢いましょう」、山口市で10月6日(日)まで開催
古民家を解体・再構築し、市民とともに新しい空間活用モデルを探求したアートプロジェクト「meet the artist 2022」の成果発表イベント「中園町で逢いましょう」が、2024年9月13日(金)から10月6日(日)まで山口情報芸術センター(YCAM)で開催されている。
同イベントでは、山口市内の空き家を市民や専門家と協力しながら解体・改修し、一時的な文化施設に転換。解体された古民家の一部が再現され、そこから生まれた什器や家具の制作が行われる。また、展示会場ではプロジェクトの過程や成果が資料として公開され、地域の空き家問題や「場」の記憶と公共空間の意義について考察する。
同プロジェクトは、2004年から写真、映像、コミュニティラジオなど市民メディアをテーマに断続的に7回実施されてきた。2011年を最後に一時中断していたが、11年ぶりに「空間」をテーマとして2022年に活動を再開。この取り組みでは、山口市の空き家をイベントスペースに転換し、1年間で多種多様なイベントを80回以上開催し、地域の活性化を目指してきた。
同イベントは、1年以上にわたり展開された「meet the artist 2022」の成果を発表するもの。展示と廃材の利活用の2部構成になっている。
展示では、山口市の空き家問題、利活用モデル、解体された古民家の廃材などを紹介。また、会場のホワイエには古民家が部分的に再現される。
廃材の利活用では、古民家の木材や瓦、粘土といった素材を再加工し、屋台や食器、ベンチ、ゴミ箱、植木鉢などへと変換するプロセスが展示されている。これにより、元の建物の素材が新たな形で生まれ変わり、来場者はその再利用の過程を間近で体験することができる。
会期中には、ディスカッションやレクチャーといった本プロジェクトの関連イベントが多数予定されている。廃材を使ったプロダクトの制作も展示され、購入や体験も可能だ。
同イベントでは、地域に根ざした空き家再生の可能性を探り、公共空間の新たな在り方を考える機会を提供する。山口の古民家に込められた「場」の記憶を活かし、地域とともに新しい空間活用の未来を創造していく。
中園町で逢いましょう開催概要
日時:2024年9月13日(金)~10月6日(日)
休館日:火曜日
時間:10:00~17:00
会場:山口情報芸術センター[YCAM]ホワイエ
住所:山口県山口市中園町7−7
入場料:無料