ピジョン株式会社をはじめとする哺乳器メーカー6社が、家庭で使われなくなった哺乳器を回収し、資源リサイクルする実証実験を2024年9月6日（金）から2025年2月28日（金）まで実施している。本取り組みは、廃棄物削減や環境保護を目的としており、育児用品業界で初めて地方自治体と連携した試みだ。
※本取り組みでは、哺乳器は哺乳びん（容器）＋乳首＋フード・キャップで構成された1つの製品を指す
哺乳器には、プラスチック製と耐熱ガラス製の2種類がある。
プラスチック製の哺乳器は、細かく素材別に分別して回収する仕組みがなく、リサイクルが難しい状況にある。一方、耐熱ガラス製の哺乳器は特殊なガラスでできており、通常「資源ごみ」ではなく「不燃ごみ」として扱われているため、哺乳器全体でのリサイクルが進んでいないのが現状だ。
このような背景を受け、ピジョンは以前から自社製品の哺乳器回収を行ってきた。
2024年6月28日には、累計1万7千本の哺乳器回収を記念し、啓発イベント『哺乳びんリサイクルでつなぐ育児のバトン』を赤ちゃん本舗と共催。
本イベントでは、リサイクルした哺乳器のパーツを使ってマタニティマークを製作するワークショップも実施された。また、ガラス製哺乳器は流氷硝子館によって耐熱コップにリサイクルされた。
同社は2022年から哺乳器のリサイクル活動に取り組んできたが、今回新たに6社で連携し川崎市と実証実験を開始した。
本取り組みは、哺乳器のブランドオーナー6社（ピジョン株式会社、コンビ株式会社、ジェクス株式会社［ChuChu］、株式会社ズーム・ティー［Betta］、株式会社ダッドウェイ［NUK］、雪印ビーンスターク株式会社）が、川崎市が行う「かわさきプラスチック循環プロジェクト」に参画する形で実施されている。
また、アミタ株式会社がアドバイザーとして、株式会社パンテックがリサイクルプロデューサーとして協力している。
本取り組みでは、哺乳器を使い終わった家庭に協力を仰ぎ、川崎市内7区の各区役所に設置された回収ボックスにて全メーカーの哺乳器を回収する。
その後同社により、哺乳器をメーカー・素材ごとに分別し、今後の取り組みに向けた回収量や回収品質等のデータを集計。回収された各パーツはリサイクラーを通じて、粉砕・再生原料化され、プラスチックはプランター、パレット、食品・薬品工場ラインの配管などへ。ガラスは路盤材などを製造するための原料として再利用される予定だ。
この実証実験は2024年9月6日から約6ヵ月間行われ、効果的な回収方法やリサイクル手法についての検証・評価が行われる。
同社は、未来の赤ちゃんのために、未来の赤ちゃんのために、社会全体でのリサイクル推進を目指し、哺乳器の回収と資源リサイクルに取り組んでいく方針だ。
実証実験 概要
期間：2024年9月6日（金）～2025年2月28日（金）
回収対象：プラスチック製哺乳器、耐熱ガラス製哺乳器（乳首やパーツも含む）※メーカーは問わず
回収場所：川崎市の区役所7ヵ所
回収方法：ご家庭で使わなくなった哺乳器を洗浄・乾燥のうえ、回収ボックスへ持参
想定回収本数：700本
参画メンバー：川崎市、アミタ株式会社、株式会社パンテック
哺乳器ブランドオーナー・販売企業：コンビ株式会社、ジェクス株式会社、株式会社ズーム・ティー、株式会社ダッドウェイ、ピジョン株式会社、雪印ビーンスターク株式会社※五十音順
哺乳器回収ボックス設置場所一覧
川崎市市内の区役所計7ヵ所に回収ボックスを設置し、哺乳器を回収。
（以下、区役所名・所在地）
- 川崎区役所：川崎市川崎区東田町8パレール三井ビル
- 幸区役所：川崎市幸区戸手本町1-11-1
- 中原区役所：川崎市中原区小杉町3-245
- 高津区役所：川崎市高津区下作延2-8-1
- 宮前区役所：川崎市宮前区宮前平2-20-5
- 多摩区役所：川崎市多摩区登戸1775-1
- 麻生区役所：川崎市麻生区万福寺1-5-1
（問い合わせ先）環境局生活環境部 廃棄物政策担当 Tel：044-200-2564
