卵殻膜アップサイクル繊維「ovoveil®」がエコプロアワード受賞!廃棄物に新たな命を吹き込む技術
株式会社ファーマフーズが手がける次世代サステナブル繊維「ovoveil®(オボヴェール)」が、2024年9月に「第7回エコプロアワード」の優秀賞を受賞した。この賞は、環境に優れた製品やサービス、技術、ビジネスモデルなどを評価し、普及を促進するために一般社団法人サステナブル経営推進機構(SuMPO)が主催している。同社の「ovoveil®」は、未利用バイオマスである卵殻膜のアップサイクルを実現したもので、環境・社会・経済の三つの側面で高く評価された。
日本では年間約260万トンの鶏卵が消費され、その副産物として約1万トンの卵殻膜が廃棄されている。同社はこれまで再利用されていなかった卵殻膜を、10%添加した再生セルロース繊維「ovoveil®」として再利用可能にした。この繊維はシルクのような滑らかな質感を持ち、肌にも環境にも優しい特性を兼ね備えている。すでにアパレルおよび消費材メーカー向けに製品化が進んでおり、複数の繊維メーカーと協業しながら市場に提供されている。
「ovoveil®」が注目を集める理由は、単なるリサイクルを超えたアップサイクルのアプローチにある。卵殻膜の回収から製品化までのサプライチェーンを整備し、産業廃棄物として捨てられるはずの卵殻膜を高付加価値製品に転換。この取り組みは資源の有効活用を図ると同時に、新たな市場を創出する社会貢献の取り組みとしても高く評価された。加えて、卵殻膜の買取ルートを確立し、アパレルメーカーとの共同開発を行うことで、持続可能なビジネスモデルを構築している点も注目されている。
「ovoveil®」が表彰される第7回エコプロアワードの授賞式は、2024年12月4日(水)から12月6日(金)にかけて東京ビッグサイトで開催される「エコプロ2024」内で行われる。同社はこの場で「ovoveil®」や卵殻膜のアップサイクル技術に関する展示も行う予定で、さらなる普及を目指している。