店頭タペストリーの循環利用を開始、ロフトとBPLabが廃棄削減に向けた新たな試み
繊維の循環を通してサーキュラーエコノミーの実現に取り組む株式会社BPLabは、株式会社ロフトの全国8店舗において繊維循環プラットフォーム「BIOLOGIC LOOP」を展開し、繊維衣類品・繊維製品の回収を行ってきた。今回、新たな取り組みとして「LOFT GREEN PROJECT」を開始し、短期間で廃棄されることが多い店頭使用タペストリーの循環利用に向けた試験運用をスタートさせた。
この取り組みでは、回収したタペストリーを脱色し、新たなデザインを再印刷することで再利用する。産業用インクジェットプリンタや3Dプリンタを手掛ける株式会社ミマキエンジニアリングの脱色技術「ネオクロマト・プロセス」を活用することで、印刷済み布地のデザインを除去し、同じ布地を何度も利用できる仕組みを構築。これにより、布地の廃棄削減に加え、CO2排出量の低減を目指している。
ロフトはこれまでも、セブン&アイグループの環境経営指針「GREEN CHALLENGE 2050」に基づき、環境負荷低減に取り組んできた。2021年秋には「LOFT GREEN PROJECT “雑貨のチカラで、暮らしと地球をしあわせに“」をスローガンに掲げ、持続可能な社会の実現に向けた行動を加速させている。
今回のタペストリー再利用は、商業施設や店舗のイベントで使用される布製広告表示物(のぼり旗や懸垂幕など)の廃棄を大幅に減らすことを目的としたもの。通常、こうした広告物の多くは短期間使用された後に焼却や埋立て処分されており、環境への影響が課題となっていた。本プロジェクトでは、回収したタペストリーに最新の脱色技術を適用し、新たなデザインを施すことで資源の循環利用を実現する。
再利用されたタペストリーは、11月より池袋ロフトでテスト運用を開始。今回の試験運用を通じて、廃棄削減の実現可能性を検証し、さらなる循環利用の拡大を目指す計画である。
BPLabが展開する「BIOLOGIC LOOP」は、ファッション産業と消費者を繋ぎ、新たな価値観を創造する繊維循環プラットフォームである。2021年8月に始動し、回収した繊維製品をリサイクル処理事業所で分別し、マテリアルリサイクルを行う仕組みを構築している。2022年4月から2024年10月までの累計回収量は5,038kgにのぼる。
ロフトとBPLabは今後も、繊維製品の循環利用を推進し、廃棄削減や環境負荷軽減に寄与する取り組みを拡大していく。今回のタペストリー循環利用プロジェクトは、持続可能な社会を目指す具体的なステップとして注目される。