アップサイクルの可能性を切り開く「Trash to Treasure」、新時代の循環型プラットフォーム
「Trash to Treasure(トラッシュ トゥ トレジャー)」は、事業活動で発生する廃棄物を再利用し、家具やアメニティなど新たな製品へと生まれ変わらせるアップサイクルプラットフォームだ。従来、コストをかけて処分されるだけだった廃棄物を「資源」と再定義し、同一施設内や事業内で循環を完結させる仕組みを構築している。
例えば、ホテルで使用された割り箸を回収し、家具や内装材として再利用するプロジェクトでは、環境負荷の削減だけでなく、デザイン性や機能性の向上を図り、新たな経済価値を創出している。また、自治体や学校と連携して約4.5万個のペットボトルキャップを教育資源や製品に変える取り組みも行い、廃棄物に新たな命を吹き込んでいる。
こうしたプロジェクトを通じて、廃棄物を一度きりの原料として使い捨てるのではなく、再び製品として循環させる「循環型デザイン」を実現している。
同サービスを運営するのは、環境配慮型アメニティを製造・販売する株式会社ミヨオーガニックだ。代表の山本美代氏は、出張先のホテルで使い捨てられるアメニティを目の当たりにし、家業の竹製品製造技術を活かして循環型社会を目指す取り組みを開始した。
同社が運営するエシカルセルフケアブランド「MiYO ORGANIC」では、環境負荷を最小限に抑えたオーガニック竹歯ブラシや、プラスチック容器を不要にした歯磨きペーパー™️を開発。これらの製品は、日常的に使用するアイテムを通じて「持続可能な選択肢」を提案している。
これらの取り組みが評価され、「Trash to Treasure」は2024年度グッドデザイン賞を受賞。審査員からは、廃棄物を資源として循環させる仕組みや、割り箸やペットボトルキャップといった多様な素材を再利用したプロジェクトのデザイン性と環境性の両立が高く評価された。この受賞は、持続可能な未来の実現に向けた確かな一歩である。