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伝統技術とリサイクル素材の融合。伊勢湾発、REMARE×竹正が提案する新たな板材の可能性

2025年1月、リサイクルプラスチックの板材を手がける株式会社REMAREと、漆塗装の伝統技術を有する有限会社竹正が、伝統的な漆塗装技術をリサイクルプラスチック板材に適用する業務提携を発表した。この提携により、再生プラスチック板材の耐久性と美観を向上させるだけでなく、より高品質な板材の提供が可能となる。持続可能なものづくりの可能性を広げる取り組みとしても注目されている。

株式会社REMAREは、海洋プラスチックを含む廃プラスチックをマテリアルリサイクルし、高品質な板材を製造する企業だ。一方、有限会社竹正は江戸時代から続く尾張仏具の漆塗を担い、仏像や仏具の修復をはじめとする高い技術力を誇る塗師屋。両社は、伊勢湾を共通の活動圏とし、リサイクルと伝統技術の融合による新たな価値創出を目指して提携に至った。

株式会社REMAREは、伊勢湾沿岸で回収された海洋プラスチックをはじめ、さまざまな廃プラスチックをリサイクルし、高品質な板材を製造する。プラスチックのリサイクル技術を活用し、単一素材に限らず複合プラスチックも再資源化できる独自の製法を確立している。同社の製品は、デザイン性に優れ、カラフルでポップなものから大理石調の高級感ある仕上がりまで、多様な表情の板材を展開している。

一方、竹正は尾張仏具の漆塗技術を受け継ぎ、仏具や文化財の修復を手がけてきた塗師屋だ。近年は、漆塗技術を応用し、住宅建材やインテリア装飾も展開している。竹正の漆塗技術は、REMAREの事業理念である「炭素固定」にも貢献し、素材の保護や長期使用を支える役割を担う。

名古屋市の補助金を活用し、「KISOKA」などの高品質な木曽産檜を活かした製品開発にも取り組む。同社は職人文化を支える取り組みも積極的に行っており、若手職人の収入向上やキャリア支援を通じて、技術の継承と事業の持続可能性を実現している。

今回の業務提携により、竹正の高い塗装技術を活用した再生プラスチック板材が新たに誕生する。漆塗装を施すことで、通常のプラスチック素材では実現しにくい質感や耐久性を実現し、経年劣化や傷から保護することが可能だ。特に、小口部分の美しい仕上がりや、艶消し・光沢仕上げといった多様な表現が可能になる。

光沢のあるハイグロス仕上げから落ち着いたマット仕上げまで、仕上げのバリエーションも豊富だ。艶消し塗装は素材本来の風合いを生かし、現代的なインテリアデザインに適した仕上がりに、光沢仕上げでは、大理石のような高級感を演出できる。さまざまな用途に応じた柔軟なデザイン選択が可能だ。

両社の提携は環境負荷軽減の観点からも重要な意味を持つ。竹正がREMAREの事業理念である「炭素固定」に共鳴する形で、その漆塗り技術を活かし、素材の保護や長期使用を支える。8000年以上の歴史を持つ漆塗装の技術が、リサイクルプラスチックと融合することで、持続可能なものづくりの可能性をさらに広げることに注目が集まる。

同提携による製品は、住宅建材や商業施設の内装材、デザイン家具など、幅広い分野への展開が期待されている。伊勢湾という共通の地域性を持つ両社が協力することで、地元産業の活性化にも寄与する。

伝統技術とリサイクル技術の融合は、単なる素材の再利用にとどまらず、持続的に使用できる製品の創出につながる。

製品はStationAIなどの展示スペースで公開予定で、実際の仕上がりを直接確認できる。塗装板材のサンプルも販売され、より多くのユーザーにその価値を伝えていく予定だ。

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