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学生の手で紡がれる、加賀友禅×アップサイクル紙糸「TSUMUGI」

伝統技術と環境配慮が融合した「アップサイクル加賀友禅手ぬぐい第2弾」が、2025年4月17日(木)より販売を開始した。このプロジェクトは、使用後の紙資源や間伐材を原料としたアップサイクル紙糸「TSUMUGI」を活用し、石川県金沢市の老舗染色工房「毎田染画工芸」と京都精華大学の学生が共同で制作を手がけたものである。企画・販売を主導するのは、48の企業や団体で構成される企業連携団体「一般社団法人アップサイクル」だ。

加賀友禅は江戸時代に発展した日本の伝統工芸で、藍・臙脂・黄土・草・古代紫の「加賀五彩」と写実的な草花模様を特徴とする。京友禅に見られる金箔や刺繍などの加飾をほとんど用いず、繊細な染めの技術のみで自然の美を描き出す。しかし近年、後継者不足などにより、長年培われてきた技術の継承が課題となっている。

このような状況の中、一般社団法人アップサイクルに参画する「毎田染画工芸」の友禅作家・毎田仁嗣氏の監修のもと、2023年6月から京都精華大学芸術学部の学生が加賀友禅の技法を用いて手ぬぐいを制作するプロジェクトが始動し、同年12月には第1弾となる製品を発売。今回の第2弾では、新たな学生たちが伝統技法を踏襲しつつ、環境や未来といったテーマを独自の視点で捉え、デザインを手がけた。

昨年好評を博した手ぬぐいプロジェクトの第2弾となる今回は、京都精華大学の新たな学生たちが、友禅染の伝統的な技法を踏襲しつつも、環境や未来といったテーマを独自の視点で捉え、デザインを制作した。加賀友禅ならではの落ち着いた写実的な草花模様に加え、学生たちの感性によって現代的にアレンジされた作品も注目を集めている。

今回の新作では、世界平和を願った「peaceful world」(亀田ひなた)、間伐材の背景を木目と波紋で表現した「ゆらぎ」(加藤暖菜)、赤ちゃんから高齢者までの平穏を願う「momoka momotose」(安井あすか)、大正ロマンの自由な空気を猫のモチーフで描いた「大正ロマン」(梅﨑結菜)の4作品がラインアップされている。

手ぬぐいの素材となる「TSUMUGI」は、廃棄される紙や木材から作られる紙糸で、軽さや吸放湿性に優れた天然繊維のような風合いを持つ。日本製ならではの丁寧な縫製により、日常で長く使える品質を実現している。プロジェクト名の「TSUMUGI」には、地球や地域社会と人々を紡いでいきたいという願いが込められている。

販売は、石川県金沢市の「毎田染画工芸」店舗および公式ECサイトにて行われている。手ぬぐいは1枚2,990円(税込)で、90cm×32cmという扱いやすいサイズだ。手仕事の価値と環境へのまなざしが込められた一枚は、日々の暮らしにおける新たな選択肢となるだろう。

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