捨てられるはずの古材が、新たな風景に。「ReBuilding Center JAPAN」の新ブランド「notonly」
長野県諏訪市を拠点にリユース事業を展開する「ReBuilding Center JAPAN」から、古材の新たな魅力を暮らしに届けるプロダクトシリーズ「notonly(ノタンリー)」がリリースされた。「notonly」は、解体される空き家や閉業した製材所から引き取った古材を、これまでにない視点で楽しむことを提案するシリーズだ。今後は、全国の小売店を対象とした展示会への出展も予定されている。

これまで古材は、経年変化による味わい深い表情が価値とされてきた。しかし「notonly」は、あえてその表面を削り取り、内側に眠る無垢な表情と出会うことで、古材の新しい可能性を引き出している。

長年その場所の景色の一部として存在していた木材。捨てられるはずだったそれらをレスキューし、日々の暮らしに寄り添うプロダクトとして再生する。「notonly」という名前には、“それだけではない”という意味を込め、多面的な古材の魅力を伝えていきたいという思いが込められている。
かつて誰かの暮らしを支えていた古材が、「notonly」として新たな風景の一部となり、使う人の生活に自然と溶け込み、共に年月を重ねていく。その一連の循環こそが、健やかな未来への手がかりになると信じている。



今回発表された「notonly」のプロダクトは、古材ならではの個性を活かしながら、現代の暮らしに自然と馴染むシンプルなデザインが特徴。シリーズ第一弾として登場したのは、スタッキングスツール、トレイ(ラウンド/オーバル)、フレーム(スクエア/レクタングル)の3種。いずれも100%古材を使用し、自然オイル仕上げまたは無塗装で、素材本来の質感を大切にしている。

スタッキングスツールは、脚を重ねた際に木の種類によって生まれるグラデーションが美しい一脚。軽量な三本脚設計で、屋内外問わず使いやすい。座面と脚をつなぐパーツには、目の詰まった硬質な木材を用いて強度を高め、同時にさりげないカラーアクセントにもなっている。価格は39,900円(税込)。

厚みのある古材を丁寧に削り出してつくられたトレイは、強度に優れ、美しい木目が印象的。縁にほどよい立ち上がりがあり、持ちやすく、運びやすい。お盆としてはもちろん、お敷きとしても、さまざまな場面でそのぬくもりを楽しめる。価格はラウンドが14,900円(税込)、オーバルが17,900円(税込)。

フレームには、建具や窓に用いられていたガラスを再利用している。背板もガラスで仕立てられているため、透明感のある設計となっており、植物や絵、写真などを挟むだけで日常の一場面が美しいアートになる。素材の持つ包容力と静けさが、飾るものの魅力を引き立ててくれる。価格はスクエアが17,900円(税込)、レクタングルが19,900円(税込)。

「ReBuilding Center JAPAN」は、年間700件以上の古材レスキューを手がけ、累計3,500件を超える実績を持つ、地域資源のリユースカンパニーだ。“ReBuild New Culture”を掲げ、全国へレスキュー活動を広げる仕組みづくりにも力を入れている。さらに、これまで培ったノウハウをオープンソース化し、「リビセンみたいなおせみやるぞスクール」を開催するなど、全国的に循環の輪を広げる取り組みも展開している。

「notonly」は、そんなリビセンの新たな挑戦であり、古材の可能性をさらに押し広げる存在だ。失われかけていた風景の一部が、プロダクトとして再び息を吹き返し、使う人の暮らしに新たな彩りを添えていく。それは、単なる物の再利用にとどまらず、記憶と想いを未来へつなぐ、健やかな循環のかたちだと言えるだろう。