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ホテル発・サステナブルな循環へ。BELLUSTAR TOKYOが石鹸リサイクルを開始

東京・新宿にあるラグジュアリーホテル「BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel」は、使用済みの固形石鹸を回収・再生するリサイクルプログラム「Clean the World®」にこの春参画し、初回の回収を実施した。回収されたのは宿泊客が使用後に残した固形石鹸3カートン分で、これらは再び石鹸として生まれ変わるために香港のリサイクル工場へと送付された。

「Clean the World®」はアメリカ発の社会的企業であり、世界各地のホテルで不要となった石鹸やアメニティを回収し、再加工して生活困窮地域へ届ける活動を展開している。同社のアジア部門である「Clean the World Asia」では、現在、香港、日本、マカオ、シンガポール、台湾の89のホテルと連携し、537トン以上の石鹸を回収。これまでに400万個を超える石鹸や衛生キットをアジア各地の慈善団体に配布してきた実績がある。

「BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel」にとってこの参画は、地球環境への配慮を軸とした取り組みのひとつである。同ホテルではこれまでも、使用済みバスアメニティボトルを再利用する循環型リサイクルシステム「BEAUTYCLE」を導入したほか、館内装飾に使用した桜の枝や花をアップサイクルし、商品化する試みを実施してきた。いずれも「モノを使い捨てにしない」という思想に基づいたアクションだ。

今回の石鹸リサイクルプログラムもまた、同ホテルを運営する東急ホテルズが掲げる「地球にやさしいホテル」「まちにやさしいホテル」「ひとにやさしいホテル」という理念を体現するものだ。ホテル業界では大量の使い捨てアイテムが日常的に使用されているが、それらを単に「消耗品」として扱うのではなく、新たな価値ある資源として捉え直す姿勢が注目される。

「Clean the World®」の活動は単なるリサイクルにとどまらず、衛生環境の改善を通じて、命を守るという社会的使命を持つ。2009年の設立以来、世界127か国で7,000万個以上の石鹸を配布し、公衆衛生の向上に寄与してきた。教育や災害支援といった活動にも力を入れ、持続可能な社会の実現に向けた多面的なアプローチを展開している。

「BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel」が提供するのは、贅沢な滞在体験だけではない。地上の喧騒から離れ、都心の空に浮かぶような客室でのひとときの背後には、リサイクルやアップサイクルを通じて未来への責任を果たそうとする姿勢がある。目の前の快適さと、地球のこれからを両立させるホテルの取り組みは、私たちが「使う」という行為を見直すきっかけになるだろう。

【公式】ベルスター東京|東京・新宿のラグジュアリーホテル

Clean the World®

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