キャンプ用品がビスチェやスカートに。Z世代とコールマンが挑むアップサイクルの未来
廃棄予定のキャンプ用品がファッションとして蘇る。アウトドアブランドのコールマンと東京服飾専門学校の学生が協働し、不要になったキャンプ用品をアップサイクルするプロジェクトが実現した。学生たちの柔軟な発想が、モノの寿命を伸ばし、サステナブルな未来への可能性を紡ぐ。

この取り組みは、コールマンが展開するアップサイクルプロジェクト「MFYR(Movement For Your Right)」の一環だ。生産過程で汚れや傷がついた製品や展示・サンプル使用品など、販売が難しいキャンプ用品に再び命を吹き込むことを目指している。同プロジェクトでは、これまでにもテント生地をバッグやモスキートネットに仕立てるなど、素材の特性を生かした製品づくりを行ってきた。
今回、新たな一歩となったのが東京服飾専門学校の学生との協働だ。同校からの提案により、学生たちが実際にキャンプ用品の素材を手に取り、独自のアイデアでファッションアイテムへと変貌させるプロジェクトが始動。完成した5作品は、2025年4月4日(金)よりコールマン昭島アウトドアヴィレッジ店で順次展示されている。


なかでも注目を集めているのが、1年アパレル基礎課程の学生4名が手がけた『Nature&Military』という作品だ。キルティングブランケットのパイピングをすべてほどき再利用し、キャンプ用品の袋を解体して新たな構成へと再構築。ビスチェやボレロ、スカートといった女性らしさを意識したシルエットに仕上げながらも、素材の持つタフさやアウトドアらしさを生かしたデザインが光る。再利用されたコールマンのロゴが、アイテムに確かな存在感を加えている。


他にも、寝袋のハギレを活用したパンツや、レーシングジャケット風のアイテムなど、多様な視点でアップサイクルが実現されている。こうした実践的なプロジェクトを通じて、学生たちは「なぜ廃棄が生まれるのか」「どう再活用できるのか」といった社会課題と向き合い、導き出した答えを作品で示している。


東京服飾専門学校の担当講師である山内氏は、「アップサイクルやリジェネレーションなど、今後のファッション業界が避けては通れないテーマを授業に取り入れ、学生が自ら考え行動できるよう取り組んでいる」と語る。今回のプロジェクトは、その教育理念の延長線上にあるものだ。
循環型社会の実現に向け、廃棄物を「使い切る」だけでなく、「新しい価値に変える」視点がますます重要になる。企業と教育機関、そしてZ世代の若き力が手を取り合い、次代のスタンダードを形にしていくこの動きに、今後も注目したい。
「MFYR×東京服飾専門学校」展示概要
日時:2025年4月4日(木)~順次展示を予定
会場:コールマン昭島アウトドアヴィレッジ店内
住所:東京都昭島市代官山2丁目6−1
営業時間:平日:11:00~20:00/土日祝:10:00~20:00
定休日:水曜日(*水曜祝日の場合は、翌日休み)
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