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廃棄漁網がハンモックに。海洋問題を“あそび”から考えるインスタレーション、大阪に登場

廃棄されるはずだった漁網が、遊びと学びの場としてよみがえった。株式会社ジャクエツと建築家・永山祐子氏による共同制作のインスタレーション「うみのハンモック」が、大阪の「Osaka Art & Design 2025」に登場している。設置場所はグラングリーン大阪・うめきた公園で、公開は2025年7月10日(木)まで。日没後にはライトアップも行われ、昼と夜とで異なる表情を見せる。

同作品に使用されているのは、廃棄予定だった漁網をアップサイクルして作られた糸だ。四方を海に囲まれた日本において、海洋ゴミによる環境汚染や生態系への影響は深刻さを増している。そんな現実に対し、「うみのハンモック」は「あそび」という日常の延長線上にある体験を通して、環境問題への関心を呼び起こすことを目的としている。

遊具でありながら、単なる遊びにとどまらない。自然素材の質感や屋外空間に吹く風、光の移ろいといった五感に訴える要素が、子どもだけでなく大人にも深い気づきをもたらす構造になっている。これまでも東京ミッドタウンや大阪・さくら広場、日比谷公園などで展開され、設置されるたびに多くの来場者の関心を集めてきた。

このプロジェクトの背景には、地域社会に根ざした持続可能な未来づくりを掲げるジャクエツの理念がある。同社は「あそびの視点」を活かした街づくりに注力し、遊具の設計・施工だけでなく、施設運営や地域との協働にも積極的に関わってきた。永山祐子氏とのコラボレーションにより生まれたこの作品は、そのビジョンを象徴する取り組みのひとつである。

廃材を再利用し、命を吹き込む、それは単なる素材の再生ではない。使い捨ての価値観を見直し、自然と共に生きる視点を養うための装置でもある。

うみのハンモック 展示概要

設置期間:6月13日(金)〜7月10日(木)
ライトアップ:18:00~24:00
会場:グラングリーン大阪 うめきた公園
住所:〒530-0011 大阪市北区大深町4 – 1
アクセス:JR 大阪駅の連絡橋口改札から徒歩約5 分、阪急梅田駅から徒歩約15 分

Osaka Art & Design 2025


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