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世界初、竹建築のスターバックス。インドネシアの島で描く持続可能な未来

インドネシア・ロンボク島は、インドネシアの政府機関ITDC(観光開発公社)によって観光経済特区に指定され、「第二のバリ島」として注目を集めている地域だ。近年はサーキットやホテルなどの大規模な観光インフラ整備が進み、観光開発と地域資源の共存が問われている。

そうした中、2025年4月、竹を主要な建材とした世界初のスターバックス店舗「Starbucks Kuta Mandalika(スターバックス クタマンダリカ)」が同地に誕生した。設計・施工を手がけたのは、日本人のBambooアーティスト岡崎氏が代表を務める「PT. Bamboo Lab Architect(以下、Bamboo Lab)」だ。再生可能な竹を活用し、持続可能な建築とモダンデザインを融合させた本プロジェクトは、新たな地域観光の在り方を提起している。

同社は2020年に設立され、インドネシア・ロンボク島に拠点を置いている。竹を用いた建築に特化し、ロンボク島最大級のバンブーレストラン「Milky Wave」やビーチクラブ、多目的施設、ホテル建築などを手がけてきた。独創的なデザインと技術が全世界から注目を集めている。

同社が素材として採用している竹は成長が早く、また建材としての耐久性と弾力性を兼ね備えており、再生可能かつ建築に最適だ。 また、竹の調達から加工、建築までの一貫したサプライチェーンを確立し、伝統的な手仕事の継承と地域の雇用創出にも寄与している。

今回、同社が建築した「Starbucks Kuta Mandalika」は、竹を活用したことで環境負荷を抑え、ロンボク島の豊かな自然と調和した設計が実現した。竹のしなやかさと強度を活かした天井まで伸びる壮大なアーチ、開放感あふれる空間が特徴であり、その空間全体からは自然素材ならではの温もりが感じられる。

店舗では、竹を使用したエコカップや地元職人とのコラボグッズなど、地域の資源を活かしたオリジナルグッズの販売も予定されている。来訪者が購入を通じてサステナブルな取り組みに参加できる仕組みが整えられており、観光客と地域社会をつなぐ接点としても機能している。

Starbucks Kuta Mandalikaを中心とした同プロジェクトは、素材・人・風土をつなぐ建築の在り方を示すとともに、サステナブルな観光開発の一端を担うものだ。竹という素材が持つ可能性を世界に示しながら、Bamboo Labは今後も地域に根ざした建築文化の発信を続けていく。

Bomboo Lab社について


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