
ネイルポリッシュの空き瓶は、リサイクルが難しいとされてきた。自治体によって処理方法が異なり、使い終えた瓶の扱いに悩む声も少なくない。こうした課題を前に、トータルビューティーカンパニーukaが打ち出したのが「uka リユース グリーンスタディ」だ。
このプロジェクトでは、使用済みのネイルボトルを回収・洗浄し、新たなネイルポリッシュとして再び流通させる仕組みを構築。廃棄が前提だった容器に新たな役割を与えることで、身近な化粧品分野における循環の一端として提示されている。

ukaにはこれまで、ネイルボトルの捨て方が分からない、中身の処理に迷って放置している、といった声が多く寄せられていた。こうした実態を受け止め、作る責任を担う企業として課題に向き合いながら、ukaは洗浄技術を持つジェムインターナショナルとの出会いをきっかけに、使用済み容器の再活用を可能にする仕組みを具体化した。

ukaが取り組むエコープロジェクトは今回でvol.3にあたる。vol.1では、認知度の高いukaの頭皮ブラシ「ケンザン」の下取りキャンペーンを実施し、ポイントバックによって回収を促進。vol.2では、一部店舗で実施されていたペットボトルでの飲料水提供を廃止し、三菱ケミカル・クリンスイのウォーターサーバーを店舗に設置し、来店者がマイボトルに給水できる仕組みを導入した。こうした継続的な取り組みの一環として、今回のネイルボトル回収が位置付けられている。

今回の取り組みでは、ukaストアで回収したネイルポリッシュを洗浄し、新たなオリジナルカラーを詰めた新シリーズ「リユース グリーンスタディ」として販売されている。パッケージには、前回のラベルや商品名の跡がそのまま残されており、一点一点が異なる表情を持つ「オンリーワン」の容器として生かされている。vol.3の取り組みで2024年4月の開始から6月時点までにネイルポリッシュ2400本が回収され、そのうち500本ずつ、2色の新色として限定販売されている。

リユース グリーンスタディの第1弾として展開されるのは、自然や植物から着想を得たグリーン系カラーの「verdant(ヴァーダント)」と「forest(フォレスト)」の2色。ヴィーガン処方、植物由来成分を採用し、速乾性や塗りやすさに加えて、爪の保湿・補修効果にも配慮された仕様となっている。


廃棄せざるを得なかったネイルボトルに、再び命を吹き込む。ukaのリユース グリーンスタディは、化粧品業界における循環の可能性を示す取り組みである。使用後の製品をただ処理するのではなく、「資源としてつなぎなおす」しくみを築く。生活者と企業が共に資源循環を支える、新しい選択肢のひとつだ。