アダルと井上企画が連携し、広葉樹廃材と大型3Dプリンターを使用し名作家具を復刻。日本初の試み
これまで70年にわたり飲食・ホテル・オフィス等、様々な業界へ家具の供給を手掛けてきた株式会社アダルと、製材所を母体とする株式会社井上企画が協力し、広葉樹の廃材を新素材として大型3Dプリンターでアダルの名作家具を復刻、リデザインするという日本初の試みが行われた。
本プロジェクトは木材の供給不足と価格高騰による世界的なウッドショックを受け、木材資源の貴重さと有効活用の重要性を再認識した結果、共に木材活用事業を推進する両者の課題意識が合致し実現したそうだ。また、アダルはこのプロジェクトを通じて、木材活用率100%を目指したサステナブルな次世代モノ作りへの挑戦していくと述べている。
復刻にあたり、新たな製造方法として、木粉と樹脂を混ぜた粒状素材(ペレット)を大型3Dプリンターで射出成形するという手法が取られた。この新しい生産方法は、従来の巨大な金型投資や、大量の電力を必要とする高周波プレスなどの大規模設備を必要とせず、木端材から作られた木粉と3Dデータがあれば1台からでも製作が可能だ。
復刻させるのは、アダルの代表的なモデルの一つで90年代初頭のバブル期に設計された「リンクラウンジ」。新たな製造方法で生み出された椅子は「リンクラウンジ2.0」と名付けられた。
同製品は2023年6月21日(水)から23日(金)まで、東京ビッグサイトで開催される「次世代3Dプリンタ展」のリコージャパンのブースにて公開される。