国内最大級の椅子再生工場エフラボ、廃棄家具を再生し能登半島の復興支援へ
株式会社エフラボは、廃棄予定のオフィス家具をリファービッシュし、新たな商品として販売する「サーキュラーエコノミープロジェクト」を実施している。この活動の売上の一部は、能登半島地震および奥能登豪雨の復興支援のため寄付される。「リファービッシュ」とは、不要になった家具や製品を修理・調整し、新品同様の状態に再生することを指す。
同社は石川県・能登半島の七尾市に本社工場を構え、椅子の張替・修繕を専門に行う国内最大級の椅子再生専門工場である。海外から輸入される椅子の増加により、本来であれば張替や修繕によって長く使える日本製の「古い椅子」は、産業廃棄物として処分されることが多い。
また、かつて能登には多くの大工、建具屋、縫製工場が存在していたが、時代の変化に伴い、多くの職人やその技術が失われつつある。
この現状を踏まえ、同社は経験豊富なシニア職人と共に「生産拠点の国内回帰」を目指す「椅子の再生事業」を開始した。職人技術とIT機械を融合させた工場を運営し、毎日100脚以上の椅子を新品同様に生まれ変わらせている。
さらに、納品できなかった試作品やメーカー廃盤品、高品質な中古家具を再生し、新たな商品として販売する「サーキュラーエコノミープロジェクト」を展開している。このプロジェクトでは、サステナビリティや循環型経済への関心の高まりとともに注目されている「アップサイクル」「リファービッシュ」の手法を活用し、椅子のみならず、テーブルやクッション、ソファなど幅広い製品を対象としている。
第一弾のプロジェクトでは、「某有名家具ブランドで販売予定だった家具」計24点を再生・販売し、2024年2月7日〜3月7日の売上合計は251,273円を記録した。この売上のうち、20万円+αを石川県七尾市に寄付した。
第二弾のプロジェクトでは、廃盤となったオフィス家具を中心にリファービッシュし、数量限定で販売を行う。今回は、未塗装・張り込みなしの未完成家具もセミオーダー商品として提供し、購入者が張地を選べる仕組みを導入。販売期間は2024年12月1日(日)〜2025年3月31日(月)までの予定である。
なお、第二弾の売上金額から経費を除いた3割を、能登半島地震および奥能登豪雨の復興支援に寄付する方針である。この支援金の詳細な寄付時期や用途については、復興支援の進捗を踏まえながら進める予定だ。
同社は、能登半島地震によって工場が一部損壊する被害を受けたが、なんとか稼働再開にこぎつけた。その矢先、さらなる豪雨被害に見舞われ、二重被害に直面することとなった。しかし、「能登を拠点とする一企業」として、地域の復興に貢献するべく、再生家具を通じた社会貢献を継続していく。
エフラボは、地域の職人技術を活用し、廃棄予定の家具を新たな価値ある商品として蘇らせることで、地域活性化に加え循環型経済の推進を目指している。さらに、災害復興支援を行うことで、社会貢献にも寄与する取り組みとなっている。