廃棄傘を未来へ、「PLASTICITY」新素材ヒノキレザーのバッグを発売
株式会社モンドデザインが展開する「PLASTICITY」は、廃ビニール傘を素材にしたアップサイクル製品の制作に取り組むブランドだ。2024年12月には、ひのき加工場で発生する木粉から作られるバイオヴィーガンレザー「ヒノキレザー」を組み合わせた製品を発売している。

日本では、年間約8,000万本のビニール傘が廃棄されている。ビニール傘は分解が難しく、リサイクルされないまま多くが埋め立てや焼却処分される現状がある。特に、プラスチック消費量が多い日本において、ビニール傘の廃棄問題は深刻な環境課題の一つだ。同ブランドはこの問題を解決するため、「10年後になくなるべきブランド」というビジョンを掲げている。
同ブランドでは、駅の忘れ物や商業施設で廃棄されるビニール傘を回収し、人の手で選別・解体・洗浄を行い、再生された生地を使用している。この再生生地は独自のプレス技術を用いて加工され、雨が降った日の窓ガラスのような質感を持つ素材「GLASS RAIN」となる。この名前は、素材が透明な傘由来であり、その見た目が窓ガラスに流れる雨を彷彿とさせることに由来する。

同素材は防水性と汚れへの強さを備えており、雨の日や汚れやすい場所でも安心して使用できる。また、素材のシワやキズ、サビ跡がそのまま生地に反映されることで、一点一点が異なる表情を持つユニークな仕上がりになっている。
2024年12月に発売された新製品は、GLASS RAINとヒノキレザーを組み合わせた2種類のバッグだ。

「ラップトップバッグ」は、16インチまでのノートパソコンやタブレットが収納可能な洗練されたフォルムのバッグ。内装には緩衝材入りのポケット、メッシュポケット、オープンポケットが備えられており、アダプターやA4サイズの書類も収納できる。持ち手にはヒノキレザーを採用し、耐久性とデザイン性を両立している。



製品名:PLASTICITY ラップトップバッグ
価格:15,400円(税込)
サイズ:H400mm X W300mm X D20mm
スリムショルダーバッグは、ショルダーベルトの付け外しが可能な2way仕様のバッグ。ヒノキレザーで作られたショルダーベルトは耐久性が高く身体にフィットしやすい。バッグ本体はiPad miniや財布、スマホが収まるスリムな形状で、日常使いはもちろん、クラッチバッグとしても使用できるため、オケージョンシーンにも対応可能だ。


製品名:PLASTICITY スリムショルダーバッグ
価格:16,500円(税込)
サイズ:H310mm X W235mm X D20mm
また、PLASTICITYではユーザーがリサイクルに参加できる仕組み「Umbrella Recycling Program」を実施している。自宅で不要になったビニール傘を1枚から回収し、100円分のポイントに交換するか、特定非営利活動法人へ寄付することが可能だ。このプログラムを通じ、廃棄問題解決の一端を担うだけでなく、ユーザーが環境保護に直接参加するきっかけを提供している。
PLASTICITYは、廃棄ビニール傘を起点に、ヒノキレザーという新たな素材を加えることで、さらなる資源の活用を実現している。製品開発を通じて、持続可能な社会を目指し、消費者とともに未来を築くブランドであり続ける。