廃プラスチックが一点ものの櫛に。早稲田の学生が手がけた「COMEL」
早稲田大学の学生たちが、廃プラスチックを再生し、一点ものの櫛「COMEL(コメル)」を企画・製作した。「COMEL」は、素材の選定から製造、広報に至るまで、すべての工程を学生が主体となって手がけたハンドメイドのアップサイクルブランドだ。
このブランドを立ち上げたのは、早稲田大学の環境系学生団体「Precious Plastic Waseda」。同団体は、学内NPO「環境ロドリゲス」内のプラスチック部門として活動しており、オランダ発のオープンソースプロジェクト「Precious Plastic」の理念に基づいて運営されている。

日本国内でも、そのネットワークの一員として、地域ごとに拠点を設け、廃プラスチックを手作業で再資源化し、アート作品や日用品へとアップサイクルする活動が広がっている。使い捨て文化からの脱却やサーキュラーエコノミーの実現を目指し、寄付付き商品の販売による環境保全団体への支援なども行っている。

同団体は、2024年10月から約半年間で約34.45kgのプラスチックを回収し、そのうち約5.19kgを製品として再生。CO₂削減効果は約11.32kgにのぼり、これは成木1本が1日で吸収するとされる量に相当する。


「COMEL」は、こうした活動の中から誕生した、初のオリジナル製品だ。
名称の「COMEL」は、comb(櫛)とmelt(溶ける)を組み合わせた造語で、「想いを込める」という意味も込められている。学内や美容室に設置した回収ボックスを通じて集められたリサイクルPP/PE(ペットボトルキャップやヘアカラーチューブのフタなど)を粉砕し、加熱・圧縮して櫛として成形。

成形の過程で混ざり合った素材が独自のマーブル模様を生み出し、すべてが一点ものとなっている。

櫛のサイズは長さ約10cm、重さ約14gとコンパクトで、外出先でも使いやすく、日常に自然と溶け込むデザインとなっている。価格は1,000円(税込)。Precious Plastic Japan Teamの公式オンラインストアにて販売中だが、大学の試験期間にあたる7月および1月は販売を一時休止する予定だ。

回収から製品化まで、学生自らが主体的に取り組んだ「COMEL」は、「楽しそう」「かわいい」といった親しみやすさを入り口に、環境問題を身近に感じ、行動につなげるきっかけとなることを目指している。
大学発のプロジェクトとして、今後も学生たちの手で、自発的な循環型社会づくりの一端を担っていくことが期待されている。