グンゼ、資源を循環させゼロ・エミッションを実現する製造工場「守山サーキュラーファクトリー」が竣工
グンゼ株式会社は、2023年4月18日にプラスチックフィルム事業の基幹である守山工場をサーキュラーファクトリー（資源循環型工場）に転換し、竣工することを発表した。この最先端の施設は、太陽光や豊富な水資源をエネルギーとして活用するだけでなく、従来の「Take（資源を採掘して）」「Make（作って）」「Waste（捨てる）」という直線型システムのなかで活用されることなく廃棄されていた製品や原材料などを新たな資源と捉え、廃棄物を出すことなく資源を循環させる製造の仕組みを取り入れている。
資源を循環させる製造工場「守山サーキュラーファクトリー®」竣工のお知らせ ゼロ・エミッションを実現する製造工場が稼働開始 ｜ ニュースリリース ｜ 企業情報 ｜ グンゼ株式会社
グンゼは2019年12月に「プラスチック資源循環基本方針」を制定し、プラスチックフィルム事業では2027年までに使用原料の50%をリサイクルおよびバイオマスなど循環型原料に置き換え、2030年には100％まで引き上げることを宣言している。このサーキュラーファクトリーは、プラスチック廃材を出さないゼロ・エミッションを実現する工場であり、異種積層化された自社フィルムを回収し、異種分離と再生技術を確立させ、100％循環型原料の製品化を実現させていく計画だ。
守山サーキュラーファクトリーは、滋賀県守山市森川原町に所在し、ラベル用収縮フィルムの製造を行う。竣工日は2023年4月18日で、延べ床面積は10,786平方メートル。2027年度までの投資総額は9,494百万円を予定している。
サーキュラーファクトリー竣工後、2026年までにはリサイクルセンターを設置し、従来の技術では困難であったナイロンとPET等の異種積層フィルムの商業ベースでの分離再生を行う。これにより、本来のサーキュラーファクトリーの完成となる。
現在は、ガスバリア性が求められる包材には、リサイクルしやすいモノマテリアル化の流れが主流となっているが、グンゼのコアコンピタンスである異種積層による機能性付与技術を生かすため、この分離再生技術を普及していく。
プラスチックフィルム事業は、2030年を目標に「サーキュラーメーカーへの変貌」を掲げ、この守山サーキュラーファクトリーをモデル工場として、培ったノウハウは海外も含めて他の生産拠点にも投入し、2030年までにはプラスチックグループ全体で廃プラゼロに取り組んでいくとしている。
