EMARF、スマホで撮影した木材を即時データ化し管理・販売できる木材流通サービス「EMARF scan」α版をリリース
木材のクラウドプレカットサービス「EMARF」は、新デジタルプラットフォーム「EMARF scan」のα版を全国150箇所以上のShopBotオーナー向けにリリースした。
EMARF scanは、スマートフォンで撮影するだけで木材を即時にDXF(Drawing Exchange Format)データに変換し、材木の一元管理・販売を可能にするサービスだ。
これまで流通が困難とされてきた規格外の木材のサイズや形状を正確に読み込んでデータ化し、WEB上で管理・販売できるようにすることで、木材生産者にとっての新たな木材流通を開拓すると同時に、デザイナーや設計者をはじめとする消費者にとっての木材活用の可能性を広げることができる。
α版リリースでは、全国150箇所以上のShopBot(木材加工専用のCNCルーター)オーナーと全国の林業従事者を対象に、サービス運用を開始。対象事業者は、木材の生産過程で出てしまう流通できない非規格材や、木材を加工する過程で出てしまう不揃いな端材をスキャンしデータ化することで、廃棄するしかなかった木材を活用することができるようになる。
2023年4月13日から始まるα版の運用を経て、今後はEMARFの一般ユーザーが登録された材木をサービス上で閲覧・選択し、ものづくりに活用できるように開発を進めていく予定だ。
同サービスは、生産者が購入者と直接繋がり、取引できることで、木材の流通プロセスの短縮・効率化を実現し、木材の低価格化をもたらし、さらに、希少性の高い個性豊かな木材を、ものづくりシーンで活用できるようになることで、デザインの幅の拡張を実現する。
また、地域貢献も促し、地域との繋がりが強い木材を流通させることで、出身地や関わりのある地域などの木材活用を通して地域に貢献することができ、これまで廃棄されてきた材木の流通を可能にすることで、循環型社会への貢献が見込めるものだ。
すでに開発過程において、デモンストレーションワークショップを実施しており、参加者がEMARF scanを使って自分たちで木材を撮影し、データ化するプロセスを体験。データ化された木材をデザインソフトに取り込んで、オリジナルの家具やインテリアアイテムを設計するなど、木材の個性や魅力を実感し、非規格材や端材の活用価値を認識することができたそうだ。
同サービスは今後国内だけでなく海外の木材市場にも展開を検討している。世界各地の木材生産者と消費者をつなげることで、様々な材種やデザインの木材が流通し、世界中のものづくりシーンで木材の活用が広がることが期待される。