廃棄花から価値を創造、「ロスフラワー®」でつなぐ共創の輪
「花のロスを減らし、花のある生活を文化にする」をミッションに掲げる株式会社RINは、3社とのコラボレーションを通じ、「ロスフラワー®」を素材とした新たな商品開発を行った。
同社は、廃棄予定の花を「ロスフラワー®」と名付け、その周知と活用に取り組んでいる。店舗やブース、ディスプレイの装飾で活用するほか、花農家と消費者をつなぐオンラインショップを運営。商品購入を通じて花の廃棄問題への支援が可能な仕組みを提供している。また、「ロスフラワー®」に新たな命を吹き込む「フラワーサイクリスト®」の育成を目的としたセミナーも展開している。
これまで、同社は生産現場や市場で発生した「ロスフラワー®」を買い取り、ドライフラワーに加工して商業施設のクリスマス装飾に活用。装飾後の花をノベルティとしてブーケやリース、サシェに作り替える活動も行ってきた。今年からは他企業と協力し、「ロスフラワー®」を商品の素材として最終的に活用する仕組みづくりを本格的に開始した。
日本香堂のお香ブランド「かたりべ」
日本香堂の「かたりべ」は、“本物の自然な花の香り”にこだわったお線香ブランドである。リニューアルに際し、装飾で使用された後の「ロスフラワー®」や、山口県のバラ、熊本県のラナンキュラス、デルフィニウムなどを乾燥させて原材料の一部に採用。「ラベンダー」「白梅」「花橘」「ホワイトローズ」の4種類を展開している。
山櫻のエシカルブランド「rik skog」のコトハナ箱
山櫻の「rik skog」では、十分に役割を果たした「ロスフラワー®」を粉砕し、森林認証パルプと混ぜて型に流し漉き上げたモールド成形ギフトボックス「コトハナ箱」を製作。このギフトボックスには「ロスフラワー®」をアレンジして詰めており、バレンタインデーや母の日など幅広いシーンで活用可能なギフトとして提案している。2024年9月に東京ビッグサイトで開催された「第98回 東京インターナショナルギフト・ショー® 秋2024」のエシカルスタイルフェアにも出展された。
モリリンの循環型繊維マテリアルPANECO®を使用した「ロスフラワーPANECO」
モリリンが開発した「PANECO®」は、衣類繊維を原料とした循環型リサイクルボードで、加工性に優れ、内装や什器、家具など幅広い用途に対応可能である。この「PANECO®」に装飾で使用した色鮮やかな「ロスフラワー®」を施し、共同開発した「ロスフラワーPANECO」を製品化。今後は店舗什器やイベント用パネルとしての活用が計画されている。
同社は、「ロスフラワー®」を商業装飾から製品化へと進化させ、企業とのコラボレーションを通じて新たな価値を創出。認知拡大や花の新たな可能性を探りながら、フラワーゼロウェイストの実現に向けた取り組みを拡大していく。
