思い出の着物に新たな命を、「ikasu」が生み出すアップサイクルアート
bonobo LLCが展開する 「ikasu」 は、役目を終えたアンティーク着物に新たな価値を与えるアップサイクルブランドだ。同社は、これまでに着物を現代のインテリアに調和するアート作品へと昇華させてきた。

「ikasu」 のアート作品は、単なる装飾品ではなく、着物に込められた記憶を新たな形で残す手段となっている。家族で受け継いだ着物を複数のアート作品に分けて共有したり、亡くなった家族の形見として着物をアート作品に甦らせたりと、これまでにも多くの人々が大切な思い出を形にしてきた。

作品は、アーティストの岡本レーナ氏が、一点一点丁寧に制作を手がける。着物の繊細な刺繍や独特の色彩が活かされ、アートとして唯一無二の価値を宿す。

今回始まった新サービスは、額縁に桐を使用することで、日本の伝統工芸の風合いを最大限に活かす試みだ。桐は軽量で湿気に強く、着物の風合いとも調和しやすい特性を持つ。また、桐タンスを再利用することも可能であり、持続可能なものづくりの観点からも注目が集まる。

「ikasu」の取り組みは、着物の廃棄問題の解決にも寄与している。かつては代々受け継がれていた着物も、現代では着る機会が減り、お手入れが大変で保管スペースも必要なため多くが処分されている。そんな着物をアート作品として生かすことで、着物に第二の人生を与えることができる。



「ikasu」は「着物は単なる衣服ではなく、日本の文化と記憶を宿すもの」という理念のもと、着物を未来へと繋ぐ活動を行っている。思い出の着物を手放すのではなく、新たな形で未来へと残す。大切な着物をアートへと昇華させるのも今後一つの選択肢となるだろう。

