持続可能なものづくりを目指すrenacnatta、「一生着られる振袖」を発売。東京・京都で試着販売会も開催
「文化を纏う」をコンセプトに展開する「renacnatta」(レナクナッタ)」は、日本の伝統技法を取り入れた「一生着られる振袖」を発売した。本コレクションでは振袖だけでなく訪問着も展開。それに合わせて、東京・京都にて試着販売会が開催される。
ブランド名「renacnatta」は、使われなくなった生地や、作られなくなった素材や技術を活用するという考えから名付けられた。日本では毎年約78万トンの服が廃棄されている現状があり、サステナブルファッションやエシカルファッションが注目されているが、依然として解決すべき課題は多く残っている。そんな中、「renacnatta」は持続可能なものづくりを目指す。
同ブランドでは、アイテムの制作にあたり、「クラフトマンシップ」「パートナーシップ」「長く使い続けられるアイテムの提供」「廃棄を抑えるものづくり」の4つの要素に注力。今回発表された「一生着られる振袖」も、多くの日本人女性が着物に触れる機会である成人式をきっかけに、伝統的な着物の美しさや技術に触れてもらいたいという願いが込められている。
同コレクションでは、夕焼けをイメージした「黄昏」と朝焼けをイメージした「暁」の2種類の着物が登場。空の移ろいを表現するのは、日本の伝統技法と職人技によるものだ。
情緒あるグラデーションを生み出すのは、有限会社高山染巧による「引き染め」という技法。滑らかな色の表現を追求した結果、高温・無風という過酷な作業環境の中で、職人の刷毛さばきで空のうつろいを表現している。「引き染め」は一般的に裾や肩のみにぼかしが施されることが多いが、今回は5色を使い全体にグラデーショ ンを施し、美しい表情が特徴だ。
空の移ろいに浮かぶ雲は、京友禅伝統工芸士・細井智之氏の技術。「胡粉(ごふん)」を使って描かれた雲は、柔らかく美しい白色が特徴的だ。胡粉は、日本画や社寺建築などで白を表現するために古くから使われてきた顔料。細井さんはこの胡粉を贅沢に使用し、「胡粉ぼかし」という技法で、白に黄や桃色を混ぜながら雲を描く。職人ならではの色彩感覚と豊かな経験が、この繊細な仕上がりを生み出している。
着物に華やかさを添える「金彩」は、金彩工房・金彩上田が担う。金彩は絹地に箔や金粉を接着する技術で、主に京友禅の着物に施されてきた。今回は「筒描き」「型押し」「砂子」という3種の技法を使い、様々な金彩の表情をふんだんに盛り込んでいる。
生地は、京都・丹後地方で「丹後ちりめん」を手掛ける田勇機業株式会社が担当。伝統的に作られてきた丹後ちりめんは、糸の加工により生まれるシボと呼ばれる凹凸が特徴だ。今回の生地は、丹後ちりめんの中でも緞子(どんす)と呼ばれる美しい光沢感と重量感を持つもの。織り傷が出やすい繊細な生地のため、加工の際には職人の確かな技術が必要とされている。
同コレクションは振袖、訪問着を用意。振袖は成人式後に訪問着として仕立て直しができるデザインを採用しており、流行に左右されない永続性のある一着を目指している。
商品は同ブランドの公式ECサイトで発売されており、振袖のほか訪問着としても購入可能。また、東京と京都で試着販売会も開催され、試着後そのまま採寸・購入することも可能だ。
試着販売会 概要
東京
開催日: 13日(日)、20日(日)
開催時間: 12:00〜13:30、14:00〜15:30
場所: 東京都文京区本郷4-30-5(澱々 2階)
京都
開催日: 26日(土)、27日(日)
開催時間:12:00〜13:30、14:00〜15:30
場所: 京都府京都市下京区本燈籠町23 松原通 高倉西入(大西常商店 2階)
※1枠につき、1組様のみの予約。
※予約は以下の申し込みフォームから。