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津軽びいどろの北洋硝子が手掛ける、漁業用浮玉を再生したグラスウェアシリーズ「DOUBLE F -UKIDAMA EDITION-」

青森県の伝統工芸品「津軽びいどろ」を製造する北洋硝子株式会社は、不要になった漁業用のガラス製浮玉を回収し再生したグラスウェアシリーズ 「DOUBLE F -UKIDAMA EDITION-」を販売している。

同社は、1949年に青森県青森市で漁業用ガラス製浮玉の製造工場として創業し、1973年には国内トップの生産量を誇った。しかし、漁師の高齢化や後継者不足、樹脂製浮玉の普及など、ガラス製浮玉の需要は減少し、漁港に放置される問題が発生。そこで、処分に困っていた地元の漁業協同組合から依頼を受けた同社は、「資源を無駄にせず、美しい青森の景観を守りたい」という思いのもと、浮玉の再利用に着手した。

回収された浮玉は、網を外して綺麗に洗浄した後、水分 を拭き取り、粉砕・溶解を経て職人の手で再度成形されているという。

同社は長年の浮玉製造で培った「宙吹き」の技法により本シリーズを製造。再生ガラスだからこそ生まれる細かな気泡は清涼感を生み出し、ロットごとに異なる風合いを楽しめる。浮玉だったことを想起させる深みのある青緑色は、特別な加工を一切施さず、再生ガラスをそのまま溶解することで生まれた自然な色合いだ。

2023年3月に発売した第一弾では、一輪挿し、花器、ピッチャー、蚊遣り、風鈴の5アイテムを展開。青森の大海原を彷彿とさせる波模様と、光に透かすと煌めく陰影が映し出されている。

2024年8月には第二弾として、日常生活で使いやすい酒器アイテムが登場。薄作りで口当たりの良いロックグラスや、伝統工芸士が手掛ける台付きグラス、徳利と盃のセットが販売された。

同社は本シリーズを通して、資源の有効活用と職人技の融合を実現し、地域の伝統と環境保護の両立を目指している。

津軽びいどろ


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