持続可能な街づくりの未来、池袋で家具の社会実験「IKEBUKURO PUBLIC FURNITURE TRIAL」が開始
2024年10月、池袋エリアプラットフォームが中心となり、まちなかに新たなくつろぎ空間を創出する社会実験「IKEBUKURO PUBLIC FURNITURE TRIAL」がスタート。同プロジェクトでは、池袋エリア内にストリートファニチャーを設置し、利用者の行動や属性を調査しながら、地域の魅力向上と持続可能なまちづくりを目指す。
同プロジェクトの核となるのは、地域連携を重視したまちづくりのアプローチだ。官民一体となり、池袋の歩道や公園、商業施設の公開空地などを活用して、心地よい滞在空間を提供する。この取り組みを通じて、街を利用する人々の行動データを収集し、より魅力的な空間作りのための基礎を築いていく。
プロジェクトの一環である「IKEBUKURO LIVING LOOP」では、立教小学校の体育館の廃材を活用したストリートファニチャーを設置。地域の建築家たちが設計し、地元企業の協力で完成した家具は、単なる利便性だけでなく、環境への配慮とデザイン性を兼ね備えている。この家具が設置されるグリーン大通りは、歩行者にとって池袋の玄関口ともいえる場所。これらの家具は池袋駅東口「グリーン大通り」に配置され、日常の移動を特別な体験に変える空間を提供。
「TOSHIMA STREET FES」では、アートベンチを制作し、池袋西口公園のグローバルリングカフェに設置。国内外のアーバンスポーツアスリートやアーティストが集うこのイベントは、ストリートカルチャーと融合した新しい空間の可能性を提示している。
「としまベンチプロジェクト」では、高齢者や子どもたちが安心して外出できる環境づくりを目的に、区民の声を反映したベンチを設置。地域住民の生活を支える実用的な取り組みとして進行中。
さらに、サンシャインシティでは、南側の外側歩行空間にストリートファニチャーゾーンが登場。子どもたちと共にアートを楽しむプログラムも展開され、世代を超えた交流の場が提供される。
同プロジェクトは、2024年のグッドデザイン賞「ベスト100」に選出され、さらに「グッドフォーカス賞 [地域社会デザイン](日本商工会議所会頭賞)」も受賞。地域資源を活用し、持続可能なデザインを実現する取り組みが評価されている。
「IKEBUKURO PUBLIC FURNITURE TRIAL」は、ただ空間を作るだけではない。使われる素材やデザイン、そして利用者のフィードバックを取り入れながら、進化を続けるプロジェクトである。地域に眠る資源を有効活用し、多様な人々が集う場を作るこの試みは、持続可能なまちづくりの未来を指し示している。